この人、このまま倒れて死んでしまうのではないか、、。渾身の力をこめて歌うVocal/Guitarの研井文陽。お互い探り合いながらThe cold tommyのライブのスタートだった。(Text:Cat-she)
3曲演った後、研井が語りはじめた。
ありがとう、みんなありがとう
これから大事なことを言います
いやそんなに大事じゃないけど
俺には、、、俺たち、、、俺たちには音楽があって・・・
俺たちは音楽しかできない
ほかにもいいバンドがある中で、、、
・・・ありがとうございます。。
―― この人は必死に伝えようとして自分自身でわけがわからなくなってしまっているだけで、また、わけのわからないことを言っているようでいて、音楽をやっている人としてカタコトながらも大事なことを言っている。
恐らく・・・・世の中にあまた音楽が溢れ、音楽に魅了されその力を信じてバンドというかたちまで形成して音楽を生み出そうとしている人達がたくさんいる中で俺たちの音楽を選んで、俺たちの音楽を披露する場によくぞ集まってくださってその気持ちをとても崇高に思っています、ありがとうございます、といったことを言いたかったのだろう、というのがカタコトな言葉の折々に理解できる。ぐっとオーディエンスを懐に手繰り寄せた研井の言葉の後の会場の高まり。
皆が思い思いに体を揺らす。酒がすすむ。客席に食いかかってくる研井から飛び散る汗が、言葉を吐き出される毎に紡ぐ苦しい一粒一粒に見える。
ボブヘアーの彼女、泥が手についた意味、、、「殺されたトロル」が演りはじめられ、ぶつけらる歌詞を受け止める間もなく“意味を考えるとほら、数秒後水がこぼれるよ”とかわされ、その直後には強烈なギターリフから「サラダのような」がはじまった。歌詞のセンテンスがそのままちぎり取られた情景のスライドがストンと目の前に落ちてくるようなそのスピードが、圧力が、迫ってくる。鋭利な2曲を見せつけられた後、ステージ後方Drums松原一樹から今後の予定が告知された。3月12日にはシングル『パスコード』のリリースがされ、2月26日にはそのシングルの中から先行して「Break,she’s coat」が配信がされるという。
バンド全体に波紋していくBass榊原ありさの圧倒的な存在感。Drums松原一樹の緻密に積み上げられるゆるぎないリズム。ギターを片手にただただ不器用に言葉と音を共有しようと死にものぐるいのVocal/Guitar 研井文陽。3ピースバンドのスケールを、いい感じに、変則的にはみ出してくれ、彼らの一音一音が体に侵食してくる。
下北沢 Daisy Barにて3月2日(日)にワンマンライブを行なうというThe cold tommy。対バンライブでは9曲の共有にすぎなかったが彼らだけで占めるライブハウスの雰囲気を体感してみたい。The cold tommyを、もっと聴いてみたい、そう思っている。
――私は、すっかり毒されてしまったようだ。
Break, She’s Coat
朝から夜に
パラドックス
-mc-
殺されたトロル
サラダのような
-mc-
パスコード
泥人形
シルバニア
ヒステリック
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1. パスコード
2. 泥人形が溶ける頃
3. Break, She’s Coat(bonus track)
4. 塔の蠍(bonus track)
2014/03/12(水)発売 ¥1,050(tax in)
TRJC-2005 / SONIC-ONE
日程:2014/03/02(日) Open 18:00 / Start 19:00
会場:下北沢 Daisy Bar
出演:The cold tommy
The cold tommy
http://thecoldtommy.syncl.jp/