八島純子が綴る妄想短編詩集
言葉足らず
そんな誰かでも、沢山の人々に愛されるよ
とある村に
無口だけども微笑みを絶やさない
おじいさんが住んでいて
心にサスペンションを付けてくれるんだ
おじいさんは絶対に、どこから来たかとか
何をして来たとか、聞かないんだ
ただただ、優しく
心にサスペンションを付けてくれる
それは、いつか必要の無くなったとき
自分の力で外せるようになっていて
外してしまうと、おじいさんのことは忘れてしまう
今日も、おじいさんは
微笑みながら、サスペンションを付けている