ー なるほど。せっかくの機会なので、お互いに聞いてみたいことはありますか?
研井:はい!
ー では、研井さん。
研井:歌詞の中で女性の言葉が出て来るってことは、何か語りかけてくるものがあるわけじゃないですか。だから遼君の女性観、女性というものをどんな位置付けでとらえているのかな。って。
鴻池:女性観!?
ー 鴻池さんの歌詞には今作で言えば、「Hitori Butai Parade」、過去には「Butterfly Syndrome」など女性言葉が登場します。いずれもちょっと意味深な大人の女性……という印象ですが。
研井:確かに!そこをちょっと掘り下げていきたい。
鴻池:そうですね。歌詞に出て来る人のイメージは、ちょっと昔の女性ですね。女性って本当に分からなくて。弱い存在かと思えばしたたかだし、ただただ複雑だし。ミステリアスな存在。
研井:うんうん。遼君にとって、女性ってどんな存在なの?例えば母親とか自分を包む存在なのか、燃えさせる存在なのか……とか。
鴻池:刺激ですね。自分が一番魅力を感じる存在。音楽と同じくらい惹かれる存在ですね。
ー 数ある女性のイメージの中で、ちょっと古風な女性を登場させるのは、何か理由があるんですか?
鴻池:江戸川乱歩とか、横溝正史の『金田一耕介』シリーズとかのミステリー小説がすごく好きだったんです。こういう作品に出て来る女性ってすごくミステリアスなんですよ。謎めいた未亡人とかもが出てきたりして、基本的に何を考えているのかよく分からない。そういう雰囲気が、ものがすごく刺激的でエロさがあるというか。
ー なるほど。ある種、最初にトミーに感じた背徳的な魅力と通ずるものがありますよね。鴻池さんの持つセクシーな感性のバックボーンはミステリー小説である、と。色々謎が解けた気がします。
研井:ああ……うん。僕も解けた気がする。