日本のロックシーンの未来を担う4バンドが集い全国をサーキットする『スペースシャワー列伝 JAPAN TOUR』。 これまで数多くのバンドがこのイベントをきっかけに飛躍しており、リスナーの注目度は年々増すばかりだ。7回目の開催となる今年はKANA-BOON、キュウソネコカミ、SHISHAMO、go!go!vanillasがラインナップされ、チケットは全公演ソールドアウト。3月9日(日)に赤坂BLITZでツアーファイナルを迎えた。(Photo:古渓一道 / Text:三宅正一)
まず、オープニングアクトとして登場したのは、スペースシャワーTVのオーディション「Day Dream Believer」でグランプリを獲得した赤色のグリッター。この3月に高校を卒業したばかりの彼ら。全4曲にわたって、センシティブでありながら鋭いギターロックサウンドとリリシズムを刻む演奏を見せ、確かな存在感を残した。
本編のトップバッターを飾ったのは、4バンドのなかで紅一点のSHISHAMO。1曲目「あの子のバラード」から、シンプルなアンサンブルに乗って宮崎朝子が紡ぐ抜群のメロディセンスとボーカル力でオーディエンスを魅了した。のんびりしたムードのMCでは会場の笑いを誘いつつ、曲に入った瞬間に空気が締まる。この3ピースバンドは、既にロックとポップの魔法を体得している。そんなことを感じさせるライブだった。
2番手は、go!go!vanillas。オーセンティックな趣もありながら、10年代を生きるバンドならではの輝きを放ち ロマンティックに日本語詞をグルーヴさせるロックンロールバンドである。ニューシングル「オリエント」を皮切りに徐々に演奏の熱量を上げていき、いつしか会場全体を完全に掌握する熱狂空間を生んでみせた。ラスト「人間賛歌」の演奏を終えたあとのメンバーの充実しきりの表情が印象的だった。
go!go!vanillasが残した熱気を引き継ぎ、オーディエンスをさらに高揚させたのが3番手のキュウソネコカミ。最初からワンマンライブのような完全ホーム空間で、やりたい放題にその痛快なシニシズムとユーモアとポップセンスを放出。兵庫が生んだ突然変異型のニューウェイブバンドは初披露の新曲「KMDT25」でフロアに4つの盆踊りサークルまで作ってみせた。
トリを務めたのは、KANA-BOON.。もはやニューカマーというより、新世代のロックシーンを牽引する存在となっている彼らは、1曲目「ないものねだり」からアンコール「A.oh!!」まで、貫禄さえ感じさせるライブを展開。性急な4つ打ちのリズムを軸にドラマティックかつキャッチーなギターフレーズが絡み合い、抗いがたいほど人懐っこいメロディと一度触れたらこの音楽を忘れさせないという“執念”を乗せた歌を躍動させた。
オーラスは4バンドのメンバー全員で、レミオロメンの「3月9日」をカバー。多幸感に包まれ「スペースシャワー列伝 JAPAN TOUR 2014 supported by uP!!!」は大団円を迎えた。
なおこのイベントの模様は、スペースシャワーTVにて4月25日(金)23:00〜24:30に特別番組として放送される。お見逃しのないように。
スペシャ列伝100巻カウントダウンもいよいよ後半に突入し、次回は6・7月の2ヶ月連続開催が決定。6月17日(火) 開催にはTHE ORAL CIGARETTESの出演がアナウンスされている。
赤色のグリッター(O.A)
1. 愛の舌打ち
2. ハナミズキ
3. あの人
4. 未来飛行機
SHISHAMO:
1. あの子のバラード
2. バンドマン
3. 行きたくない
4. 僕に彼女ができたんだ
5. タオル
6. 恋する
go!go!vanillas:
1. オリエント
2. ハイテンション
3. ミスタースウィンドル
4. アクロス ザ ユニバーシティ
5. ビッグモンスーン
6. 人間賛歌
キュウソネコカミ:
1. ネコ踊る
2. サブカル女子
3. ファントムヴァイブレーション
4. DQNなりたい、40代で死にたい
5. KMDT25(新曲)
6. ウィーアーインディーズバンド
7. 良いDJ
KANA-BOON:
1. ないものねだり
2. ミミック
3. 結晶星
4. 1.2. step to you
5. 盛者必衰の理、お断り
6. A.oh!! (アンコール)
スペースシャワー列伝 JAPAN TOUR 2014
http://www.spaceshowertv.com/retsuden/