いまや若手バンドの登竜門として、多くの人気バンドを輩出してきた「スペースシャワー列伝」。その15周年を記念したスペシャルライブ「スペースシャワー列伝15周年記念公演 “大大大宴会”〜東の宴〜」が新木場STUDIO COASTで開催された。
出演は、2009年の列伝ツアーに参加したthe telephonesをはじめ、2007年のNICO Touches the Walls、2013年のグッドモーニングアメリカ、 そして今年2015年のTHE ORAL CIGARETTESと、まさにスペシャが早くから注目し、いまや人気バンドとなった4組。さらに、Halo at 四畳半、Bentham、PELICAN FANCLUB、LILI LIMITという、今後のロックシーンを担うであろうニューカマー4組を迎えて、それらがメインステージとサブステージに交互に出演するという構成で、およそ6時間にもおよぶライブが繰り広げられた。(Photo by Yuji Honda、Takahiro Kugino / Text by 秦理絵)
トップバッターはサブステージに出演のHalo at 四畳半。渡井翔汰(Vo・G)が放つ歌の世界観を大切にした、千葉出身の4人組バンドだ。まずは代表曲「リバース・デイ」から、そのストレートで力強いギターロックが、瑞々しくイベントの開始を告げる。ステージ後ろに掲げられたフラッグを指し、「“列伝”の文字を背負ってライブができることが嬉しい」と、喜びを伝えた渡井。まるで物語のような独特の詞世界の「シャロン」では、ステージにいっぱいに降り注ぐ照明の浴びて、エモーショナルな演奏を届けてくれた。
そんな「Halo at 四畳半で泣きかけた……」(山中拓也(Vo・G))とバトンを受け取ったTHE ORAL CIGARETTES。1曲目の「mist…」で、いきなりフロアに信じられないほどのうねりを起こすと、「この列伝に思い入れがありすぎて、お前らに最高のプレゼントを持ってきた。新曲!」と、11月11日リリースのシングル「狂乱 Hey Kids!!」を投下した。一瞬にして身体を踊り出すグルーヴと、キャッチーなメロディ、艶やかなボーカルと、凶暴なロックサウンドが混然一体となって、完膚なきまでに聴き手を魅了していく。この日のライブを最後に、山中の声帯ポリープの手術のため一時活動休止となるオーラルだが、「THE ORAL CIGARETTESを一生守ろうと思ってる。また歌わせてください!」(山中)と、強く再会の約束を交わしてステージを後にした。
グッドモーニングアメリカは、転換中のリハで「サイダーでも飲んで」(8月発売のシングル『ハローハローハロ-』のカップリング曲)を聴かせて、フロアの期待感をいっそう煽ったところで登場。パンツ一丁に法被姿のたなしん(B)が、どじょうすくいをしながら、お客さんの頭上へとダイブするという展開にフロアは大盛り上がりだ。恒例の「3、2、1、ファイヤー!」という、お約束のかけ声を合図に、1曲目「空ばかり見ていた」が始まると、盛大なシンガロングを巻き込みながら、グドモらしいセンチメンタルが会場へと沁み渡っていく。「未来へのスパイラル」「ハローハローハロー」と、ギターチューンを連発しながら、実は、グドモも今年結成15周年を迎えることを明かした金廣真悟(Vo・G)。いよいよ11月に迫った初の日本武道館単独ワンマンに向けて、「僕たちの挑戦をぜひ見にきてください」と力強く語りかけていた。