11回目を迎えたSlow Music Slow LIVE ’14は、心配された雨がライブ中に一度も降らず、オーディエンスも出演アーティストも大いに音楽と都会の自然を楽しんで、大盛況の3日間となった。初日8/29(金)の“Mysterious Moon”は、Salyuと中納良恵(from EGO-WRAPPIN’)という強烈な個性を持つ実力派女性アーティストの、夢の対バンだ。オープニング・アクトの久和田佳代は、昭和歌謡のテイストを強く持つボーカリスト。“リズム歌謡”というパンチの効いたスタイルで、笠置シヅ子のカバー「買い物ブギ」や、上京して初めて書いた「春になったら船に乗れ」を歌い、会場を沸かせた。(PHOTO:TEAM LIGHTSOME)
満場の期待の中、現われた中納良恵は「今日は一人ぼっちでやってきました」とピアノの前に座って1stソロ・アルバム『ソレイユ』から「夢」を弾き語る。エンディングでは自分のコーラスをサンプリングして“一人コーラスグループ”を演出して、会場を酔わせた。「ソレイユ」からはドラムが加わって、シンプルながら充実したサウンドを聴かせたのは、さすが。EGO-WRAPPIN’ とは異なる繊細でキュートな魅力を見せつけた。
Salyuも、バックは小林武史のグランドピアノのみ。いきなり「回復する傷」から“本題”に入る。二人だけのステージだけに、小林が一方的にサポートするわけではない。たとえば二人が盟友でありながら、ライバルとしての火花を散らした「アイニユケル」が最高にスリリングだった。
アンコールは3人で、カーペンターズのカバー「Close To You」。Aメロを中納とSalyuが交代で歌い、サビはハモるという超豪華セッション。柔らかな中納の声と、シャープで硬質なSalyuの声の対比が見事だった。小林はここではしっかりサポートに徹して、ハイクオリティのエンディングとなった。
イベントサイト
http://lultimo.jp/smsl/